テレパシーは使えない おまけ

 家に帰って、夕食中。

 花音が俺に言った。

「お兄ちゃん」

「ああ、はい」

 と、俺は花音に新聞を渡した。

「ありがとっ」

 番組覧だけ見て、花音は俺に新聞を返す。

 どれ、俺も見てみるか。

 ふむ。おもしろい番組はやってないみたいだ。

「お兄ちゃん、あれどうだった?」

「ん? ああ、大丈夫だったよ」

「へえ、ならいいか」

「花音、えっと、それ取って」

 俺はつい言葉が出ずにそう言うと、花音はお目当てのしょうゆを取ってくれた。

「あ、あれも」

「はいはい」

 ティッシュも渡してくれる。

「サンキュー」

 この様子を、なぜかぼーっと見ていた凪が、箸をくわえたままつぶやいた。

「結局、テレパシーはあるのか……?」

AokiFutaba Works 蒼城双葉のアトリエ

オリジナル作品を掲載中。

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