幕間短編 好きな伝説・幻のポケモン

 ある日、探偵事務所にて。

 みんなでそれぞれポケモンのゲームをしている中、俺は作哉くんに聞いた。

「作哉くんって準伝だとどんなの使う?」

「オレは色々使うからな。一概には言えねェよ。けど、やっぱりランドロス辺りは鉄板だろ」

「ボクはボルトロス派」

 凪が手を挙げて入ってくる。

「ふーん。だったら俺はトルネロス。って言いたいけど、使ったことないや」

 風神雷神のトルネロスとボルトロス、豊穣神のランドロスは三匹でセットという感じになっている。

「はい、質問」

 と、逸美ちゃんが聞いた。

「なに? 逸美ちゃん」

「三人は、スイクン・エンテイ・ライコウだとどれが好き?」

「オレはライコウだな。早い。すばやさから繰り出せる戦術があるのはいいぜ」

 作哉くんが真っ先に答えた。

 凪は胸の前で腕を組んで、

「ぼくはスイクンだね。綺麗だし、セレビィの映画でも活躍したし、アニメでもオープニングの映像がよかった」

 なるほど。ちょうど俺も二人とは違った。

「俺はエンテイかな。それこそ、エンテイの映画よかったしね」

「なんか三人共それっぽいかも~」

 今度は鈴ちゃんが質問する。

「それなら、グラードン・カイオーガ・レックウザだとどれがいいですか?」

「準伝じゃねェじゃねーか。でもまあ、オレはレックウザだな。アイツ最強だろ」

 と、作哉くん。

「最強なら、俺はミュウツーだと思うけど。あ、俺はグラードン。恐竜っぽさというか怪獣っぽさが好き」

「開くんは本当に恐竜さんっぽいの好きよね~」

「ぼくはカイオーガがいい。最強っていえばぼくは一周回ってアルセウスだと思うけどね。映画じゃ声も美輪さんだったし」

 そしてノノちゃんは、俺たちみんなに質問した。

「じゃあじゃあ、みなさんは幻のポケモンだとなにが好きですか?」

「俺はミュウ。映画ミュウツーの逆襲のときもよかったけど、やっぱりすべてのポケモンの遺伝子を持ってるミュウは特別だよ」

 しかし、凪に即却下される。

「ミュウはなし」

「なんで」

「特別だからさ。別のだと?」

「別? セレビィかなぁ。ときわたりをして時空を超えるんだもん、すごいよね。あ、でもビクティニもいいかも」

「開、どっちかにしてよ。あとがつかえてるんだ」

「あとってなんだよ。じゃあセレビィ」

 凪はやっと決めたかとでもいうようにうなずく。

「わたしはマギアナちゃんかケルディオちゃんかしら。迷うわ~。マナフィちゃんもいいわね~」

「逸美さん、多過ぎだよ」

「そうかしら~? じゃあ、誰かどっちか選んだら、違う方にするわね。でも、一番はケルディオちゃんにする」

「ふむ。逸美さんはケルディオだね。じゃあ次」

 なぜか凪が指揮って回している。

「あたしはディアンシーですね。宝石を散りばめたデザインはステキです。メガシンカしたらもっと煌びやかになるところなんか最高です。メロエッタも捨てがたかったんですけどね」

「オレはデオキシスだな。宇宙から来た感じがスゲーだろ。ダークライと迷ったけど、やっぱりデオキシスだろ」

「ノノはシェイミが好きです。映画でも可愛かったし、フォルムが変わった姿もカッコイイです」

 鈴ちゃん、作哉くん、ノノちゃんも答えたところで、最後に凪が言った。

「見事にみんなバラバラだね。ぼくは断然ジラーチさ。フーパのイタズラっ子な感じもいいよね、映画での『おでまし~』の可愛さと言ったら胸がくぎゅっとしたしね」

「なに言ってんだよ」

 そのとき、探偵事務所のドアが開いた。

 良人さんがやってきた。

「やあ、みんな」

「あ、良人さん。こんにちは」

「良人さんは幻のポケモンだとなにが好き?」

 唐突な凪の質問に、良人さんは迷う仕草をしてみせ、

「そうだね~。ボクはやっぱり、ヒードランがいいな。あれ、この前QRレンタルパーティーっていうので使わせてもらったら強かったんだー」

 俺はジト目を向けて言った。

「そのポケモン、幻じゃないですよ」

「えっ」

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