2018.02.28 13:42夕飯前のおやつはおいしい 俺と花音は、お母さんに頼まれて買い物に出かけていた。「今日の夕飯なんだろうね」 ふたり並んでスーパーへの道を歩いている中、花音がそう言った。「頼まれてた物も統一感ないし、それで夕飯作るってわけでもなさそうだからな」「玉ねぎと白菜と味噌だったよね」「うん。あとニンジン」 一瞬花音が固まって、また笑顔に戻る。「ニンジンは買わなくていいよね」...
2018.02.28 13:40風邪を引いても眠れない「はあ、頭が重い」 その日、学校からまっすぐ探偵事務所まで来た俺は、事務所に到着するやずっしりとソファーに深く腰を下ろした。 逸美ちゃんが俺の顔色を見て、心配そうに言った。「開くん。風邪引いてるんじゃない?」「そうなのかな? 朝家を出るときは大丈夫だったんだけど、学校にいる間にだんだん調子が悪くなってる感じがしたんだ」「朝までは大丈夫だっ...
2018.02.28 13:39防寒をしよう とある冬の日。 今日も学校が終わると、俺は探偵事務所へ向かう。「さむっ。これは早く探偵事務所行って暖まらないと」 この時期、外は本当に寒い。 特に寒いのが苦手な俺にはつらいくらいだ。 俺は寒がりなので制服の下には半袖の防寒Tシャツ、さらに防寒のロングTシャツ、その上にワイシャツ、カーディガン、ワイシャツの下にはカイロを貼り、首には忘れず...
2018.02.27 13:13ノノちゃんの工作 その3 凪は手を洗ってきて、凪とノノちゃんの二人でさらに『猫』の完成度を高めていく。こう見えて凪は美術も割と得意で、工作みたいに手先の器用さが求められると俺のほうが得意だけど、案外芸術方面の才能は侮れないのだ。 二人で力を合わせて作って、ようやく完成した。「どうですか?」「うまいもんだろ」 ノノちゃんと凪に言われるが、俺と逸美ちゃんと鈴ちゃんは...
2018.02.27 13:12ノノちゃんの工作 その2 俺は逸美ちゃんといっしょに整理整頓をするために和室を出る。「鈴ちゃん」「はい」「ちょっと手伝ってもらえる?」「あ、はい。もちろんです」「ノノちゃんは作品を作るのに集中しててね」 と、俺はニコニコと微笑んで襖を閉める。 そして、俺と逸美ちゃんと鈴ちゃんは応接室で三人顔を寄せ合った。「ていうか、さっきのあれなに?」「知りませんよ。結局なんだ...
2018.02.27 13:12ノノちゃんの工作 その1 小学生には夏休みや冬休みだけでなくいつでも工作の宿題がかせられる場合がある。 俺の身近にいる小学生のノノちゃんも例外ではない。 ノノちゃんは現在小学四年生。 夏休みでも冬休みでもないけど、今日は、ノノちゃんに工作の宿題があった。「なにを作ろうかな」 現在。 探偵事務所にて、ノノちゃんは難しい顔をしてどんな工作にしようか悩んでいた。天真爛...
2018.02.27 13:11足つぼ健康法 足つぼを刺激する、板状のボード。それに乗ると、足裏の痛い場所で身体のどこが不健康かわかる。よく温泉なんかに置いてあるアレだ。 夕食後。 明智家のお茶の間では。 あの足つぼの板に、テレビでタレントが乗っているのを見ていた。『これに毎日乗るだけで、わたしはずっと健康なんですよ!』 そう言っているのは、とても七十過ぎには見えないおじいさんだ。...
2018.02.25 12:07サボテンを育てる おまけ その後。 あのサボテンは逸美ちゃんによって育てられた。 たまに逸美ちゃんに代わりに水をあげてくれと頼まれたとき以外は、逸美ちゃんが面倒を見ている。 凪と作哉くんと鈴ちゃんはこっそりしゃべりかけたりもしているけど、人前だとしない。ノノちゃんは人前でも構わずサボテンにしゃべりかけたりするけどね。 あるとき、俺が逸美ちゃんの代わりに水をあげて...
2018.02.25 12:06サボテンを育てる その2 翌日。 探偵事務所の和室でくつろいでいる凪に聞いた。「ところで、水とかやらなくていいのか?」「サボテンって、確かあんまりあげなくていいんだよ。だからいいのさ~。へへ~ん」 これは、逸美ちゃんがお世話することになるんだろうな。 ということで、ここからは逸美ちゃんとサボテンの話になる。 ――凪と鈴ちゃん、作哉くんとノノちゃんの四人が帰ったあ...
2018.02.25 12:04サボテンを育てる その1 いつも通りの探偵事務所。 依頼人が来ないかと俺と逸美ちゃんが並んでソファーに座って、事務所の番をしていた。 そんなとき、凪と鈴ちゃんの二人が揃ってやってきた。「やっほー」「こんにちは」 ドアが開き、二人が挨拶する。 俺もいらっしゃいと迎えて、「あら、二人共いらっしゃ~い。さあ、上がって」 と、歓迎する逸美ちゃん。 和室に上がる前に、俺は...
2018.02.25 12:01顕微鏡を使って 自室にて。 良人さんが床に手足をついて馬になり踏み台になってくれたおかげで、俺は顕微鏡を取ることができた。 顕微鏡を手にお茶の間に行く凪についていくと、花音が不思議そうに聞いた。「凪ちゃん。それなに?」「顕微鏡さ」 花音もすでに学校で習ったと思うけど、俺は簡潔に説明してやる。「顕微鏡は普通見えない物も見えるんだ」「開くんの家は顕微鏡なん...
2018.02.25 12:00踏み台 高いところにある物を取るには、ときに踏み台が必要になる。 俺は特別背が高くないけど、背が高い人でも届かない場所に物を収納することってあるよね。 そこで、踏み台が必要だった。しかし現在、踏み台は庭の小屋の中にある。あれを取るために外まで出るのはちょっと面倒だな。「おーい、凪」 ちょうど俺の部屋前を闊歩している凪を見かけたので声をかける。「...